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シュッ!!
薄暗い森の中を、矢が風切り音を響かせて疾走する。
その切っ先は真っ直ぐ進み、草を食んでいた兎の胴を貫いた。
「お昼ゲット……」
その矢を放った張本人、コニア・クランは足早に駆け寄って獲物を回収する。
「ごめんなさい、そしていただきます」
もはや息のない兎に一礼し感謝の念を表してから、腰に差してあるナイフを抜き慣れた手つきで兎を解体し始める。
あらかた食べられる部分と食べられない部分を別け、食べられない部分は一カ所に寄せておく。
こうしておけば、森の生き物達が残ったものを綺麗にしてくれるのだ。
食べられる部分を持ったコニアはあらかじめ用意してあった薪の所へ向かった。
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