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「いただきます」
焼きたてほやほやなので火傷しないように注意しながら今日のお昼にかぶりつく。
「幸せ……」
最初にその違和感に気づいたのは食事を半分程進めた時だった。
先程までは焚火の音と一緒に五月蝿いくらい鳴いていた鳥の鳴き声が全くしなくなっていたのだ。
「まさか……」
コニアは深呼吸をし落ち着いてから焚火に土をかけて火を消し、自分の荷物をまとめる。
その時、少し離れた所、ちょうどコニアが兎を解体した場所からいくつもの咆哮が同時にあがった。
とっさにコニアは荷物を引っ掴み、食べかけの肉をくわえてそれと反対方向へ音を出さないように気をつけ、身を低くして歩き出した。
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