携帯

12/23
前へ
/109ページ
次へ
正直焦っていた。 「あっ、手帳の… 」 話が通じて少しほっとした自分がいた。 「そぉです!! それ私ので、入れ替わっちゃったみたいなんです。」 「あぁ。…君、電話してくれたよね。」 この男性は話し方がとても丁寧だった。 「ごめんなさい…。 携帯を先生に没収されてて連絡できなかったんです。 それでさっき着信が入ってたの知って…。」 「没収?!」 その男性は笑っていた。 だから陽菜も少し緊張がほぐれ、つられて笑っていた。 「いつが良いかな。手帳返すの。」 「夕方ならいつでも。授業が4時に終わるので、それ以降ならいつでも。」 陽菜はカーテンの隅に隠れて話していた。 「陽菜~次体育だよ。 あっ!!アンタ何?彼氏ぃ?!ちょっとかしてぇ!」  
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加