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約束の時間が近づくにつれて緊張してきた。
昶に夕食の当番を代わってもらうために電話したときも、
なぜか手帳を返してもらうために男性と会うとは言えなかった。
いつもの陽菜なら昶や美和についてきてもらうのだが、今回は一人で会って見たかった。
どうしてか、あの男性に興味があった。
私に番号を渡したときの 目はただのナンパのような目ではなかった。
真剣で、どこか切なそうで…。
一回だけと陽菜は言い聞かせた。
陽菜は30分も前に約束の場所についてしまった。
友達が通る度に一緒に帰ろうと誘われたが断った。
陽菜は駅の隣にあるペットショップで時間をつぶした。
しかし、その時、陽菜は大事なことに気がついた。
“私、あの人の顔覚えてない!!”
陽菜は焦った。
携帯を手に取ったがこんなことを聞くために電話するのはどうかと思い、留まった。
でもどうにかしないとその人が来ても気づかない…。
陽菜は焦っていた。
もう時計の針は7時を回っていた。
しかし、誰一人駅に待っている人はいなかった。
みな通り過ぎていくばかりだった 。
段々寒くなってきた。制服では寒さを我慢できなかった。
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