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「あの時は…俺、」
大地は動揺しながら陽菜に説明しようとしていた。
しかし、今さら説明なんて聞きたいわけなかった。
ちょうどその時、授業が始まる5分前のチャイムが鳴った。
お昼開けのチャイムだけは二回鳴るのだ。
「陽菜、行こ!!」
鳴りやむのと同時にユカが廊下に出てきた。
「大地まだ粘ってたの?!懲りないねぇ~。」
ユカは大地の背中を叩いて、陽菜を引っ張って行った。
「次、講堂だよ。大地も急ぎなよッ!!」
陽菜は大地が気になり振り向いて声を掛けた。
大地は陽菜を見つめ、何か言いたげに立っていた。
あの日、本当に言いたい言葉は他にあったと…
後悔しか込み上げる物はなかった。
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