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藤堂と目が合い、陽菜は緊張しながら花束を彼の目の前に差し出した。
「本日は貴重なお話…」
藤堂の目は陽菜の目を捕らえて離さなかった。
藤堂の顔付きは、さっきまでのビジネスマンとしての表情ではなく
驚きの表情で、時間が止まってしまったような状態だった。
「…ありがとうございました。」
不思議に感じながら、陽菜は花束を受け取って貰えるのを待った。
受けとる時の藤堂の手は震えているように、陽菜は感じた。
講堂からは最後にもう一度拍手がなり響いた。
陽菜は席に戻ろうとした。
“任務完了だぁ~”
陽菜は階段を降りかけた。
「…君は!?」
陽菜は腕を掴まれ、振り返った。
藤堂の手には力が込められていた。
講堂は藤堂の動きで、騒がしくなった。
「あの…何か…。」
陽菜は困惑していたが、優しく言った。
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