私が知らない私

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教室に戻ると、友達はみんな帰った後だった。 講堂での事を聞かれずに済んだと、少し安心した。 陽菜誰もいない教室の席でケータイを開いた。    “新着メール1件” 昶からだった。 “夕食いらない”と言ういつものメールだった。 最近仕事が忙しく、帰宅は深夜を回っていた。 陽菜は頑張ってとメールを送信しておいた。 「…今帰り??」 帰る準備をしていた陽菜の後ろで声がし、慌てて振り向いた。 「大地かぁ~ビックリしたぁ。」 誰もいない教室は一々驚く事が多い。 「あれ?ユカは。」 「バイトで先に帰ったよ。」 「あぁ~あのクレープ屋?!」 「そうそう。」 ユカはバイトの鬼だった。 さっきも凄い勢いで教室を出ていった。 陽菜は一人教室に取り残されてしまったのだった。  
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