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「サッカーは??
行かなくていいの??」
いつも放課後はジャージの大地が珍しく制服を来ていた。
「あっ、今日はナシ。
一応3年だし。」
最もらしい言い訳だが、大地だと説得力がなかった。
「ただのサボりでしょ。」
陽菜は見抜いた。
大地は“まぁね”という顔で笑っていた。
陽菜は教科書をガバンに入れている間、大地は教卓の前で何か言いたそうな様子だった。
「…あのさ、」
大地が口を開くと、目の前に陽菜が立っていた。
「好きな人の話、蒸し返すのやめてね!!」
大地は昼間の話を思い出した。
「違うって…。そうじゃなくて、俺…。」
大地は謝らなければいけなかった。
陽菜に告白された時…
思わず口にしてしまった言葉は、本当は違うと。
「気になってるってだけだから。」
大地は不意を疲れたような顔をした。
「だから、好きな人とかじゃないから。って、大地に言ってもしょうがないか。」
陽菜はポンっと大地の肩を叩いて教室を出た。
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