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陽菜の通う高校は、授業中に携帯が鳴ると一週間没収されてしまう。
榛菜は美和を追いかけた。
「美和ちゃん…。
お願い…。許してぇ。」
こんな馴れ馴れしく話せるのには訳がある。
陽菜と美和は幼馴染なのだ。
家も近所で、年も4つしか離れてなかった。
今年の春から私の高校に着任した。
「陽菜、ここでは私は先生なのぉ!ダメなものはだめッ!」
美和は小さい子をなだめる様に言った。
「…はぁ~い。」
榛菜は口三角にしていた。
そんな陽菜を見かねた美和はUターンしてきた。
「今日家きて良いよ。」
美和は耳打ちしてきた。
「今日陽菜がご飯作る日でしょ。ほら、昶も呼んでいいから。」
美和は私のお母さんのような人だった。
私が中学三年の頃に両親が事故でなくなって、私とお兄ちゃんの二人暮らしになった。
寂しかったけど、美和ちゃんやお兄ちゃんが支えてくれた。
だから私は今まで幸せだった。
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