私が知らない私

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「待ってて良かった。」 藤堂は優しい口調だったが、NOと言わせない強さがあった。 「何か用ですか?!」 返事に困る陽菜の横で、大地は言った。 藤堂は大地の存在を確認したように、ゆっくり二人に近づいて来た。 「壇上での事、謝りたくてね。」 陽菜は首を振った。 「気にしてませんから。          全然!!」 陽菜は焦って早口になっていた。 わざわざ謝りにくる必要あるのかと不思議に感じた大地は 番犬の様に陽菜の前に一歩出た。 藤堂はやっぱり大地には目もくれなかった。  
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