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「お詫びに、僕の会社の商品をプレゼントしたいんだ。」
彼は車の扉を開けた。
“乗って”と言うように微笑んだ。
「えっ…あの、本当に気にしてないので…
プレゼントなんて頂けません。」
陽菜は手を振った。
いくら拒否しても藤堂は引き下がらなかった。
「君も一緒に。さっ、乗って!!」
大地の背中を押して、半ば強引に車に乗せた。
“誘拐じゃん!?!?”
大地と陽菜は顔を見合わせて同じ事を思った。
「安心して。誘拐とかじゃないから。」
二人の思いは見抜かれていた。
そして藤堂は、帰りは駅まで送ると約束した。
車の中では緊張を解すように、いろんな話を振ってくれた。
藤堂がサッカー部に入っていた事を知った大地は一人で興奮してい。
陽菜はただ相づちを打つ程度だったが、何度もミラー越しに藤堂と目が合った。
目を反らす度に緊張が増した。
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