私が知らない私

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藤堂は壇上での事を謝った。 「いえ、本当気にしてませんから!!」 陽菜は両手を横に振った。 安心した様子で藤堂は“良かった”と呟いた。 なぜ壇上で私を見てフリーズしてしまったのか知りたかったが、 彼の目を見ると切り出せなかった。 藤堂の目は気持ちや感情をすべて見透かすような力強さを持っていた。 笑っていても目だけは違った。 「君の名前を聞いていいかな。」 いきなりの質問に一瞬ドキッとしたが、冷静さを勤めた。 「えっと…陽菜です。水瀬陽菜といいます。」  
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