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「あの…これ。」
彼は私に白い紙を渡した。
彼は何も言わずにタクシーに乗って行ってしまった。
私とは比べ物にならないくらい忙しそうだった。
その一瞬の出来事に驚いたが、冷静になってその渡された白い紙を見ると、
それは名刺だった。
“成未快斗”
名刺にこう書いてあった。
私はこんな名刺なんてもらってもしょうがない と思っていた。
しかし、家に帰ると私の手帳がない事に気づいた。
きっとあの時、ぶつかった時に入れ替わったんだと思った。
私はカバンの中に閉まってあった名刺を取り出した。
そこには“成未快斗”の携帯番号が書いてあった。
緊張したが、あの手帳はお兄ちゃんと美和ちゃんにもらった物で大切にしていたため電話をかけることを躊躇わなかった。
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