泡沫の一夏

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「スゲーぞ夏目!!田んぼがいっぱいだ!!」 「そんなに田んぼが珍しいか?」 「そーゆーわけじゃないけどさ、へへっ♪」 田んぼでこんなに喜々とするなんて…この少年は都会から来たのだろうか? 夏目の中に一瞬、盆帰りかという考えもよぎったが、お盆はもう終わっている…。 (もしかして…妖怪…?まさかな…) 「なぁ夏目!向こうの方にあるアレなんだ?」 「え?あぁ…あの辺りは町内会長さんの土地で、時々果物とかを貰っていいんだってさ。秋になったら柿とか栗も貰えるんだ。」 「へぇ~♪」 『…夏目。七辻屋の饅頭を忘れてはおらんだろうな?』 「あ…忘れてた。」 「何々?独り言?」 「ぁ、いや…この道沿いに、美味い饅頭屋があるんだ。行くか?」 「行く行く♪まんじゅー!!」 三人(二人と一匹?)は 喜々として饅頭屋へ向かって行った。
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