泡沫の一夏

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「Σ…!!!」 言葉が出ない…というのは こういう感覚なんだろうか 「ごめんね夏目…。俺もう…」 ―――死んじゃうみたい。 少年は、ぽつりと一言吐いた。 「待て…!どういう事か説明しろ!…お前は…妖だったのか…?」 「夏目の世界の言葉で言ったら…そうなのかもね。」 小さく、儚く、微笑みをこぼす少年。 今にも消え入りそうな少年の姿と比例し 大木に止まっている蝉の声も弱まっていく。 「…まさかお前…蝉…?蝉の化身…だったのか…?」 「化身なんて大層な身分じゃないよ。僕はただ…人と…誰かと話がしたかったんだ。」
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