泡沫の一夏

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「短い命の中で鳴き続ける僕達と違って、 無邪気に走り回る子供達。 明日もいる仲間、友達…。 僕ね、人間が羨ましかったんだ!! なんでいっつも笑ってるんだろうって! 毎日仲間が…友達が死んでいく僕達と何が違うのか…! 話してみたかったんだ…。」 「なら…どうして言わなかった…!!言ってくれたら…もっと…もっと一緒にいたのに…!」 「ダメだよ夏目。僕は"人間の友達"として、夏目の側にいたかったんだ。同情されたうえでの付き合いは偽りだ。」 少年は ふ…と微笑む。   「じゃ、そろそろお別れだ…。」
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