泡沫の一夏

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『運命とは残酷だなぁ夏目。』 「ニャンコ先生…」 人が…友達だった者が消えてしまう 虚無感。 あの少年は、この気持ちを ずっと味わって来たんだろうか。 「先生は…気付いてたのか?アイツが妖だって…」 『波長が人間のソレとは違ったからな。薄々は気付いておったわ。』 「どうして言ってくれなかった…」 『あやつも言っておっただろう夏目。"人間として"お前と共に居たかったと。』 お前には少々難しかったかと鼻で笑うニャンコ先生。 『…夏目。蝉はな、蝉だけは、自分がいつ死ぬか分からんのだ。だから生きているうちに懸命に鳴く。それが奴等の生き方だ。』
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