泡沫の一夏

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          「そういえば、なんで塔子さんに見えたんだろう。」 カナカナとひぐらしが鳴き、 夏夕空が燃える帰り道、 夏目はふと思い出した。 塔子さんは少年を見たんだと。 『生きとし生けるもの全てには力があるんだ。思う力がな。それが強ければ強い程、確かなものになる。』 「思う力…。」 (きっと、あの少年の思いが形になったんだ。) 人間になりたい 人間と話がしたいという ―――強い思いが…。 「それにしても、今日のニャンコ先生は知恵者だな。」 『阿呆!私はいつでも賢明よ!!』 「あははは…!」    ―遠い空へと 思いよ届け―image=252898359.jpg
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