小川の淡い光

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「おぅ夏目!夏バテしてねぇか?」 電話は、クラスメイトの北本からだった。 俺はそこまで軟弱じゃないぞと返して、二人で笑いあった。 「そうだ夏目。明日、川に行かないか?」 「川…?」 「あぁ。学校の裏辺りに小川があるってばぁちゃんに聞いてな、もうすぐ埋め立てられるってのも聞いたし…どうかな?西村には、俺から言っとくから♪」 誰かに誘って貰うなんて、 昔の夏目には、そうそうあることではなかった。 「あぁ…行く…。」 どうしても片言になってしまう そんな自分にむしゃくしゃする気持ちと 誘われる事の嬉しさが、 夏目の中に溢れていた。  
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