339人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん…あそこに人が…」
「人?どこに?」
見えていないという事は
きっとあの"人"は"妖"…。
「ぁ~…気のせいだったみたいだ。悪い。」
そんなの嘘―。
「そうか?最近暑いからな。頭茹ってるとか?」
「そうかもな。あの岩影で、少し頭冷やして来るよ。」
見えているものが本当に存在しているのか…
信じていいのかわからない。
けれど…
(存在しているのに、いないように扱われる方も…辛いだろうな…)
『あぁ…レイコ…』
ふと そんな声が聞こえた気がした。
嫌な予感がした夏目は
とっさに妖がいた方を見るが…
…妖はとうにこちらへ向かってきていた。
最初のコメントを投稿しよう!