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「やばぃ…!!」
避ける隙もなく
夏目はその妖に…
抱き付かれた。
『レイコ、やっと来てくれたんだね!!ずっと待っていた!』
「違う!レイコは俺の祖母だ!!」
ふっ…と 腕の力が弱まった気がした
…あぁ…どうしてレイコさんは
こうも妖を悲しませるのか…。
『そう…か…君はレイコの孫か…すまない…。』
「いや…慣れてるんでな…。」
夏目にとっては、レイコさんに間違われる事は日常茶飯な事。
嫌でも慣れてしまうだろう。
『レイコは…今は…?』
この手の質問も、夏目は好きではなかった。
レイコさんは亡くなりました
と酷な事を伝えなければならないのだから…
「レイコさんは…亡くなりました…」
そう告げると、その妖は悲しみに瞳が揺らいだ。
レイコさんの為に―。
『…そうか…やはり人間とは…儚いものだな…。』
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