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『失礼した夏目殿。人前で泣くなど…』
一泣きした妖は、そう口を開いた。
「いや、それより、貴方はレイコさんを知ってるんですね?」
夏目の質問に、その妖は"はい"と
名前もレイコに預けたと答えた。
それを聞いた夏目は、ウエストポーチから
友人帳を取り出した。
「貴方に名を返します…。」
そう告げると、妖は
嬉しそうに微笑んだ。
「我を護りし者よ その名を示せ」
パラパラパラ…
ピタッ…
夏目は友人帳が割り出した
その名を、契約書をちぎり
口にくわえた。
「"翡翠"…名を返そう…」
ふっ…と息を吐き、
名前は"翡翠"と呼ばれた妖の元へと飛んで行く…
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