その目に写るものは「日常」

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くだらない授業に目をつぶる。 すると『視界』が映る。 『視界』では授業を聞かずにページを破り、紙飛行機を折っている。 お!こんな折り方もあるんだ… と、関心する俺 『視界』では手を動かして紙を折っているが俺の手は動いていない。 俺が紙を折っている訳ではなく、目を通してそいつのやってる事を見ているだけだ。 すると、視界が変わり、公園で小さな女の子を追いかけて、追い付くとペロペロと女の子の顔を舐める視界に変わる。 少し歪んだ白黒の視界 この視線は……子犬だな… 再び変わり、黒板と懸命に喋っている教師を見つめる風景に変わる。 げっ……うちのクラスじゃないか…… 教師の喋っている声は机で寝たフリをしている俺の耳から聞こえてくる……これだと寝ているのに授業うけてるのと変わらない……しかも、コイツ、まばたきしない。 まばたきをしてくれないと次の視界に変わらない。 …………ふぅ あまりにまばたきしてくれないので、俺は目を開けて、黒板を見る。 視界と同じ風景だ……違うのは見えている角度… あの角度は…… 俺は一番前列の右端に座っている女生徒を見る。 じぃーと教師の話を真面目にきいている学級委員長がいた。 さっきの視界は委員長の視界だったのか……委員長…まばたきぐらいしろよ…目が乾くぞ。 また、眼をつぶれば、別の視界が見れるのだが、もうすぐチャイムが鳴って昼休みなので止めた。
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