その目に写るものは「日常」

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これが俺の能力『クールアイ』 他の人間や動物の見ているものを、まるで自分が見ているように見ることが出来る。 『クールアイ』は自分で名付けた。 見えていても何もできない為、何を見ても冷静に、冷たく、見ていないといけないため、『クールアイ(冷たい目)』………実は何度も呼び名が変わっていて、子供の頃はアニメの影響で『デビルアイ』、中学では『ゴッドアイ』と呼んでいた。 この力は生まれつきの能力で、みんなも眼をつぶると見えるもんだと10歳まで思っていた。 この力に小学生の頃は悩んだ。 そりゃ……たまに子供には刺激的なものが見えてしまうからだ。 それは両親の抱き合ってるのを見てしまった程度の刺激では無い。人や動物の死ぬ瞬間なんかも見たりする。動物の車に引かれる瞬間なんて見た日は1日中憂鬱だ。 そのせいで中学生で力を利用して様々な悪事に手を染めた。 主に脅しや脅迫で少年院に入れられる寸前までいった。補導など数えきれず…地元で付いた名が『脅し屋健ちゃん』不良やチンピラ、悪徳業者すら脅して金を取っていたので、皆が俺を恐れた。 高校生で地元を離れ、寮付きの私立の学校に入り、悪事から足を洗い、なにもしない平和な日々を過ごしている。
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