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青い空の下、そよ風に桜が舞う春の陽気。
「えー、では転校生を紹介します」
高校最後の年に、転校生がはいった。
「はじめまして…ってのはおかしいよね」
いや、帰って来たのだ。
「お帰り、俊介!!」「なんで3年だけ帰ってきたんだよ」「はじめましてじゃねー!」
中学の2年のとき、両親の都合で転校した転校生『天野 俊介』(あまの しゅんすけ)は、高校三年生になりこの町に帰って来た。
「一年だけだけどよろしくね」
「なにがよろしくだ、何年の付き合いだと思ってるんだよ」
町に一校だけある高校。小学校は3つ、中学は2つ。そして、高校は一つしかない町。頭のいい人や、上を目指す人は他の街へ行ってしまうため、高校は一つしかないのだ。でも、半数以上の人はこの高校に集まる。そのため、クラスの半分以上の人は知った顔なのだ。
「なんで帰ってきたんだ? 都会のほうが何かといいだろうに」
「ああ、それは…親の都合だよ。」
一瞬、顔が曇った俊介。ほとんどのクラスメイトは気づかないほどわずかだが、それを見逃さない人達がいたのを、このとき俊介はまだ知らないのであった。
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