適格試験

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   3.ル・レート薬品研究所…  竹中直樹は《ル・レート薬品研究所》に、入社して二年目の社員である。東大を首席で卒業した自負があった。 しかし今年に入り、いきなりの転勤命令を受けた。まさか自分が… 本社から北海道の札幌支社へ転勤… 話を部長の三島から聞いた時は、茫然としたものだった。 しかし、三島部長は竹中の興味を惹く、面白いことを言ってくれた。 「竹中、今回お前が転勤になったのは、とてつもない大きなプロジェクトが、動いているからなんだ。少しの我慢だ」 三島部長がそう言ってくれたからだった… 三島部長の言った大きなプロジェクトとは? 《ヒューマン開発計画》というものだった…  特殊な薬を選び出した人間に飲ませ、その人の未知の潜在能力を引き出すというものだった… 三島部長は、この企画の依頼主は、日本政府だと教えてくれた。 日本政府のトップシークレット事項なので、東京では出来なかった。厳正な調査によって、この場所が選ばれたのだ。  札幌支社と言っても名ばかりで、石狩のそれも過疎の進む横町が選ばれたのだ…  
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