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1.突然の手紙…
六ヵ月で退職金をあたしは使い果たしてしまった。何もしなかった訳ではない。
ハーロ・ワークにも通い、就職活動も行ったが、だいたいの会社からの返事は同じ…
「分かりました。結果は連絡待ちということで。採用になりましたらお電話を差し上げますから…」
あたしがいくら待っても採用の電話、あるいは通知は来なかった。
不況の波は深刻なのだ…
(ああ…こんなことなら、もっと退職金貰っておくんだったなぁ…)
いくら考えても後の祭りである。
そんなある日、あたしの許に、一通の手紙が届けられた…
手紙には《ル・レート薬品研究所》と書いていた。
(これは何だろう…)
あたしは興味を持って、手紙を開封した…
「拝啓:季節の頃も涼しくなりいかがお過ごしでしょうか?この度は、ル・レート薬品研究所の医療モニターに、登録下さりありがとうございます…」
(え?あたし申し込んでいないけど…)
ここまで読んで、あたしは何かの間違いかと思った。しかし、さらに読み続けることにした。
医療モニターという言葉に興味を持ったのだ…
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