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俺は資金の工面に追われた。やはりお金となると、なかなか貸してくれない人はいなかった。
最後には高校の同級生や、知り合いなら誰にでも聞いた…
「もしもし、真壁だけど…」
「真壁?え…喬なのか?いや~久しぶりだな?」
「ああ、秋田も元気か?」
「まあな、喬は何をやってる?」
俺は苦笑して言った。
「ちょっとした営業だよ」
「ちょっとした営業でも、仕事があるだけましだよ」
俺は嫌な予感がした。秋田はこれは失業中か…
「もしかして、お前失業中なのか?」
「ああ、そうなんだ。今まで働いてた会社に、いきなり首を切られた。無情なものだよ」
「そうか…それは大変だな…」
「何かいい仕事ないか?」
俺は苦笑して言った。
「なかなかないよな…」
俺は秋田からお金を借りることを断念した。学生時代は羽振りのいい男だったから、もしかしたらと思ったのだ。
ダメもとで俺は言った。
「最近クラスメイトだった奴で、景気のよさそうなのいるのかな?」
「う~ん。どうだろうな…俺は聞かないな…」
俺は適当に秋田と話し、電話を切った。この分では、お金を借りるのは、難しいだろう。
俺は最後の手段として、実家に電話を掛けることにした…
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