10人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の手を引く彼女はとても嬉しそうだ
「名前は?」
そんな彼女に僕は冷めた口調で答える
『ルイ』
「ルイ君かぁ~私はチハル。志田千春(シダチハル。よろしくね」
僕とは逆で明るく眩しい笑顔だ
僕がマイナスの人間だとしたら、千春は間違いなくプラスの人間なんだろうな
『よろしくねって…』
逢って数分だったけど、明るく不思議な千春に僕は少しずつ惹かれていった
そして、千春に連れてこられたのはただのカラオケBOXだった
千春の声はとても澄みきっていて、僕の心を落ち着かせてくれる
でも……どこか寂しい切ない感じにも思えた
「ねぇ!リクしてもイイ?」
何も唄わない僕に気でも使ったんだろう
『別に』
.
最初のコメントを投稿しよう!