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シュシュ!と昼下がりの屋上に風切り音が鳴る。拳狼若人はシャドーボクシングで食後の運動をしていた。
昼間の日差しのせいか、たくさんの汗が噴き出してくる。
若人が汗を拭こうとタオルを取ろうとしたとき「ガチャ」と屋上用のドアが開き、二人の学生が入ってきた。
二人の学生は汗だくの若人を見るなり近づいてきて、一人が若人に声を掛けた。
「よお、ワカケン。いつもシコシコ精が出るね~。そんなに鍛えてどうすんの?設楽校の番長にでもなる気?」
声を掛けた学生は若人を嘲笑するような声で言った。
゛ワカケン゛とは若人の事である。
ワカケンはなにくわぬ顔で答えた。
「こうやって練習してると嫌なことわ
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