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「お、お友だちからで!」
『…は、もうキスした仲なのに?』
電話の奥で冴島が笑う。
き、キス…そうだった。
ハイスペックの冴島からしたら、こんなやり取りなんて大したことないのかもしれない。
こっちは、こんなに乱されているのに…
『それは、俺が耐えられそうにないな…』
「…は?」
『お前と違って、俺はお前に名前を呼ばれるだけで欲情してしまうような男だ』
冴島も?
俺一人が舞い上がってるわけじゃないのか…
「…じゃあ、とりあえず付き合ってみるか?」
内心バクバクでそんなことを問えば
『では、毎日、とりあえずキスをしよう!』
とアホな提案をされて破顔する。
こいつはホントにもう…
冴島宏光高スペックイケメン。
そして、俺だけが知る彼の素顔は、ちょっと変態チックなただのアホ。
可愛くはないが、愛おしいという感情を知るのは、近い未来なのかもしれない。
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