麗しのシンディ

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「...お、お友達からでお願いしてもいいでしょうか?」 「うーん...今までも友達だったよね?」 予想はしていたが、ここまで慎重にこられると物足りない。 そんな俺に、シンディはアドレス交換を提案してきた。 まぁ、シンディだもんね...手順は踏まないと先には進めないか… 半ば諦めながら、赤外線通信をするとプロフィールが送られてくる。 プライベート用の携帯のため、登録件数も少なくて、新規で入ったシンディのものを見つけるのは簡単だった。 名前は新堂聖(シンドウ サトシ)、誕生日は5月17日、血液型A型、住所... 「...っ!」 何?このバカ正直なプロフィールは... 「あのさ...他の奴とは赤外線交換してないよね?」 ため息混じりに言いながら語気が少し強くなってしまったが、抑えられずに、携帯のディスプレーを見せる。 シンディも少しショボンとした顔になり、ようやく自体の重さに気づいたようだ。 「俺だから良いけど、悪用されたらどうするの?」 は? 何故か俺の言葉に、曇っていた顔が明るくなる。 「何、ニヤニヤしてるの?俺、怒ってるんだけど?」 「すいません、心配してくださったのが、嬉しくて...」 ...まったく、素直すぎる。 しかも、俺が心配したのが嬉しくて、すぐ笑顔になるとか...何でそんなに可愛いんだよ。
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