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絡みあった視線の中、根負けしたのか、彼が唇を歪ませて顔を伏せた。
「…はい、申し訳ありません。少し…休んで来ます」
先ほどよりも弱々しい声でそう言った彼は、深々と頭を下げて出ていく。
バカだな…
あんな顔をさせたい訳じゃないのに…
何でこんな気持ちになるんだ。
今までだって、平気で突き放すような言葉を言ってきたじゃないか。
外野では「可愛いそう」だとか「キツイよな」とか、そんな言葉が聞こえる。
それは、いつもことで、今更傷付くこともないが、彼の顔が頭から消えない。
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