rain

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コーヒーの豆をひきながら、考える。 彼のために、これで止めるべきなのか...経験として積ませても良いのか... まぁ、1度決めたことで悩むなど、私らしくもないのだが。 カラン... 確か、表にはクローズの看板を出してあったはずだが… 「...来てしまいました」 「おはようございます」 ドアの所には彼が立っていた。 何かあったのだろうか? 「開店前にすみません...その、逢いたくなってしまって...」 困ったように少し顔をそらす彼に、胸がなった。 ストレートな言葉が響いた。 「...そうですか、珈琲でも入れましょうか?」 彼を見て、また、胸がなった。 「...はい、頂きます」 珈琲の香りがする中、彼は、カウンターに座る。 珈琲を入れて彼に、渡すと幸せそうな顔をした。 「...好きでいてもいいですか?」 不意に彼に問われる。 「面白い事を言いますね...まるで、どこかにでも行ってしまうみたいだ」 その言葉に彼の瞳が揺れた。 図星か…。 「...寂しいですね。でも、来られる時になったらまた来てください」 出来るだけ、しんみりしないように彼に伝える。 「聞かないんですか?」 「聞いてほしい?...私が止めたら、君は進めなくなるでしょう?...君を困らせたくないからね」 敬語を崩した私に彼が泣きそうな顔をする。 全く...これだから、放っておけないんだ。
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