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えっ…??
少し体重を掛けられながら肩を掴まれて、その顔が近づいてきた。
キス…される。
そう思いながら目を瞑った。
「…っダメだわ、やっぱ無理矢理はフェアじゃないよな」
「えっ?縁??」
寸止めされ、行き場のない気持ちで見返すと縁が困ったように笑った。
…っ、そんな顔、反則だろ…。
「テツ…キスしてもいい?」
いいに決まってる。
そう言えたらいいのに、現実はコクッと頷いただけになってしまう。
夢みたいで、声なんか出なくて、頷くのが精一杯だ。
「んっ…っ」
重なった唇から電撃が走るようだった。
好きでたまらなかった縁とキスしてる、その事が頭をぼーっとさせていく。
不意に離れた唇に名残惜しさを感じながら、目を開く。
「ん?どしたぁ…?」
何か言いたげな縁に尋ねる。
やっとの事で体を支えながら平然を装う俺を縁が見ていた。
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