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そんな縁を見ながら、不意に考える。
あれ?
泣いてたんだよな?
ってことは失恋したってことだよ、きっと。
でも、俺にキスしてきたよな?
これって…身代わり的な…
ダメだ…冷静に考えたら落ち込んできた。
「…俺、身代わりなの?」
聞きながら、ちょっと泣きそうになる。
それなのに、縁は笑っていた。
「テツの代わりなんていないよ」
「だって…目の腫れ、泣いたんだろ?」
「…あぁ、玉ねぎ切りまくったからね」
「は?でも、元気無かったし…」
「テツに暫く会ってなくて限界だったからさ」
「今度好きなヤツ、パスタが好きだって…」
「テツ、好きだよね?パスタも」
「…そりゃあ、好きだけど」
「テツ以上に優しい人なんていないよ…本当は、告白させたかったんだけどね」
乙女な思考は健在だ。
でも、俺が知らなかったのは、Sっけのある乙女だったってこと。
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