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あれ?でも待って…
「パスタも…って」
「うん?」
その先を聞こうとする俺に縁がいたずらっぽく笑った。
「パスタもカレーも好きだろ?」
えっ?パスタは前回作ってもらった新作でカレーはその前で…その前は…
そう考えながら、自分の好きな料理と新作を照らし合わせて、煩いくらいの心臓が痛くなってきた。
縁が俺に初めて作ってくれたのは…俺の大好物─
「まさか…あの、ハンバーグって…」
「好きだろ?」
だって…あんなの、2年も前の事だ。
「美味しそうに食べる顔は、誰でもいいわけじゃないし、料理は好きだけど、休日返上してまで律儀に友だちのために毎回作るほど、オレは良い奴じゃない」
「えっ?えっ?…だって…」
「オレはテツのことがずっと好きだよ」
俺がずっと言えなかった言葉を低めの声でサラッと言われて、腰が砕けそうになる。
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