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あー、見なきゃ良かった。
頬杖まで付きながら、熱い視線がこちらに向いている。
「えーっと…酔ってる?」
「あぁ、君に酔ってる…」
うわぁぁぁ…そう来たかー。
いや、別に人の嗜好にとやかく言うつもりは無い。
無いけど、こんなにスイッチ入りまくりの状態で来られたら、引くって…
…帰ろう。
大丈夫だ、路地裏に連れ込まれた訳でもないし、俺も男だから抵抗できるし。
「…冴島、俺、帰るわ」
ガシッ…
肩をガッチリ抑えられ、立てないんだが。
これは、真夏の怖い話に投稿できそうなレベルなんだけど。
「とりあえず…その口調、何?」
人間、諦めると今度はどうやって受け入れるかって言う方向にシフトチェンジするらしい。
どうやら、好意を持たれてるようだけど、なんか変わり者?
いや、単にフェチの傾向の問題なのか。
「あ、すみません。つい、本音が…」
再び猫をかぶった冴島に胡散臭い笑顔を向けられる。
「…別にさっきのままでいいけど。プライベートだし、今更だし」
「…そうか」
えっ、笑った…?
その顔の方がずっといいじゃん…
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