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「ヒロミツ、なんて顔してるんだよ…」
「…っ」
ん?なんか、反応薄いな。
酔って、ちょっとしたことが可笑しくなって笑ってしまう俺に対して、冴島は真顔だ。
「ヒロミツ?…あれ、名前違ってた?」
「すまない…あまりにも、良かったもので」
良かった?
よく分からないが、大丈夫だったのだろう。
「そっか…なら良かった」
酒の回った頭は恐ろしい。
常識的な思考なんて簡単にぶっ飛んでしまうのだから。
冴島が笑っているのだから、大丈夫なのだろう。
「その…抱きしめてもいいだろうか?」
「は?抱きしめる?…まぁ、いいけどっ…おっ」
答えるや否や腕が回される。
胸元では爽やかなコロンの香りがした。
こういう場合…オレも腕廻すべきなのか?
男同士の慰め合いみたいなポーズを頭で想像しながら、とりあえず、腕を回してみる。
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