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男の体に腕を回すなんて、高校の時の体育祭の優勝時にみんなで抱き合って以来か?
…あれ?
不意に胸元に当てた耳から聞こえる心音が早くなった気がする。
「…ヒロミ…わっ」
冴島の顔を見ようとしたら、顔を覆われてしまった。
「すまん…今は無理」
これは照れているのか?
そう思うとちょっと可愛くて、笑ってしまった。
「俺相手だぞ?…顔隠すことなんか無いって」
「…キスするぞ?」
「は?」
突然、そんなことを言われて面食らう。
何言ってんだ、こいつ!
「キス、す、る、ぞ?」
いや、聞き取れてないわけじゃないから!
「っ、なんで?」
言いたい言葉を飲み込んで、冴島に問い返せば、急に声のトーンが落ち着いて、耳元に滑り込んだ。
「可愛い顔するから…」
呟くような、色気のある声になんだか変な気分になりそうで焦る。
「は?俺とでいいの?…っん」
なにこれ??
キス!?
「んっ…まっ、て…んっ」
何か、口の中に入ってきてるんだけど!?
これってディープ!?
「んっ…」
舌を絡められる。
俺、冴島と何やってるんだろ…そう思うものの、嫌じゃないんだよな、これ
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