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なんだ…
そうだったのか。
「…良かった」
自然と、そんな言葉が漏れた。
嫌われてるわけじゃない。
そう分かったことが、やけに心を軽くしていた。
「良かったって…ッ」
不意に顔を上げた彼は、目を見開いている。
…?
「…クソッ」
「…わぁっ!!」
ギシッ…
一瞬だった。
視界が揺れた次の瞬間、俺は、彼の膝の上に身体を投げ出していた。
「そんな色っぽく泣いて…誘ってるんですか?」
目を開けば、彼が余裕の無い表情をして、俺を見下ろしている。
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