141人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
※
彼と初めて逢ったのは、18になったばかりの夏だった。
「昂弥(コウミ)、逢って欲しい人がいるの」
家に帰ってきた俺を、お袋が呼び止める。
「…誰?」
珍しいな。
仲が悪い訳じゃないが、お袋と俺は、あまり会話をしない。
だから、こうして呼ばれるのも久々な気がした。
「お父さん…」
お袋の声が静かに響く。
「はっ?」
親父…?
確か、俺が小さい頃に親父とお袋は離婚したんだよな?
10年以上も経って、よりを戻すのか?
最初のコメントを投稿しよう!