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今更、親父に逢うなんて、かなり微妙だ。
でも、ここまで女手一つで育ててくれた、お袋からの頼みだし…
「…嫌よね」
…?
黙っているのを拒否と踏んだのか、お袋が口を開いた。
その表情を見て、苦笑する。
泣きそうな顔してる…
でも、俺が「嫌だ」と言えば、きっと結婚を諦めるのだろう。
そういう優しい人だから。
「…ごめんね、母さん年甲斐も無くはしゃいじゃっ…」
「逢うよ…いつ?」
だから、遮るように伝えた。
今度は、母さんに幸せになって欲しい。
俺は、もう大丈夫だから。
「ありがとう…今夜よ」
「…は?」
大丈夫だと思う…たぶん。
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