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…ストッ
部屋に入って来た早瀬の足が、俺の前で止まる。
「…食いな」
言いながら、差し出された器には、お粥が入っていた。
「…っ」
静かに強く発せられる声に顔を上げると、髪をオールバックにしてメガネを掛けた早瀬が哀しそうな瞳でこちらを見ていた。
雰囲気が違うけど、早瀬…?
「気を遣わなくていい。当たりたかったら、俺に当たっていいから…」
やっぱり早瀬か…容姿は変わっても、やっぱり優しい。
「…いい?」
「ん?」
俺の問いに早瀬が、微笑する。
ごめんね…
俺は、きっとアンタを傷つける。
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