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スッ…
「逃げるの?」
ゆっくりと背中にまわされた腕の心地よさとは裏腹に、冷えた声が突き刺さる。
「…っ」
そう言われて当然なのに、いざ、直面すると何も言えない。
…情けないな。
「それは…」
言い掛けて、言葉に詰まる。
でも、言わないと…
「アンタを…義父さんを解放したい…から…」
しぼり出すようなか細い声は、届いただろうか?
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