氷の瞳

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「…最っ低!!」 パシッ… 「…ってぇ」 人気のないオフィスの一角では、一組の男女が修羅場を迎えていた。 とは言っても、頬を高潮させて目に涙を浮かべている女―狩野葉子(カリノ ヨウコ)に対し、対する男―雨宮哉斗(アマミヤ カナト)は至って冷静に、叩かれた頬に手をやっている。 「…謝んないから」 葉子は、捨て台詞を吐くと部屋を飛び出した。 …バタンッ 「…これだから女は面倒くさい」 哉斗は、勢いよく閉められたドアに冷えた視線を向けながら呟いた。
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