氷の瞳

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さて... 部屋を見回したものの、眠れそうな場所はない。 雨宮のように椅子に座りながら寝ることも考えたものの、体が痛くなるのはきつい。 仕方ない、宿直室にでも行くか... 「…いで」 「…ん?雨宮、どうした?」 再び雨宮を見るが、起きているようではない。 気のせいだろうか? 「ん...ここ...いて...」 「…」 ただの寝言だとは思う。 だが、放っておくのもな...乗りかかった船だ、仕方ない。 「…あぁ、隣にいる」 ...っ、笑った? 私の答えに雨宮の唇がわずかにカーブした...ように感じた。 まぁ、赤ん坊が寝ながら笑うようなもんだろうが... それでも、私にはだいぶ効いてしまったようで、足が縫い止められる。 雨宮が眠るソファーの向かいには1人がけ用のソファーがある。 本来なら、体も痛くなるだろうし、ごめんだが致し方ない。 「…今回だけだ」 谷原は、雨宮に彼のものと自分の上着を掛けると言い訳するように椅子に座る。 不思議と、目を閉じると寝心地は気にならないほどの睡魔に襲われた。
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