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「じゃあ、見てもらおうかな」
「よーし、じゃあ今日からね!」
そんな会話をした流れだった気がする。
誘われるままに奏の家に来た僕は、出されたジュースを飲んで、眠ってしまったようで...
目を開けば天井が見えるけど、これは僕の部屋じゃない。
「ねぇ、龍樹...龍樹は小さい頃の約束覚えてくれてる?」
虚ろな目で横を見ると、そこには奏が目を伏せながらベッドにもたれかかるようにしていた。
小さい頃...
そう思い返す僕に奏が苦笑する。
「覚えてるわけないよね…」
「忘れるわけないよ」
その声が重なる。
何度も問い掛けられていた呪文の言葉。
「...そっか、でも無理だよね。出来ないもんね...」
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