PM11時

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      ※ 「阪嶺さん、これ出来ました!!」 元気良く走ってきた彼が、俺に資料を渡す。 「はい…」 受け取った資料をパラパラと捲る。 粗削りな部分もあるが、指摘した部分は丁寧に直されていた。 「いいですね。お疲れ様でした」 彼に視線を向ける事なく、サラッと言い、再び業務に戻る。 会社での俺が彼に対してとる態度は、こんな感じだ。 パソコンを通してなら、親しげに彼の言葉に耳を傾けることが出来るのに… 面と向かえば、こんなにも素っ気ない嫌な上司になってしまう。 「…」 「…何か?」 視線を感じ、何故か留まっている彼を見る。 何か言いたいくせに言い出せない、そんな感じだ。 言いたいことがあるなら、言ってくれればいいのに…
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