愛しの菖蒲さん

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アヤメさん...男の人なのに綺麗なんだよなぁ。 馬鹿みたいに、変なことを考えてニヤニヤしてしまう僕は、きっと、酔っているのだろう。 彼女もいないし、仕事もマンネリ化してきている今、アヤメさんは僕の癒しだった。 「ただいまー!」 そんなふうに言ってみるものの、ワンルームに答えてくれる人がいるわけでもなく、静寂があるだけなのだけれど。 それでも、何となくアヤメさんに会えた日は幸せを感じる。 明日もいるかな? なんて、考える僕は重症だ。 だけど、あまり得意ではない酒を毎晩飲みに行くほど、アヤメさんにハマっているのは事実で苦笑する。 スーツをハンガーにかけ、髪を指で梳く。 シャワーに入った方が良いと頭では分かっているけど、このままベッドに倒れてしまいたい... 部屋の時計に目をやれば、12時まであと5分という時間だった。 「...入るかぁ」 仕方なく覚悟を決めて、シャワーを浴びることにする。 明日は定例会議もあるし、早く寝よう。
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